10数年ぶり

2022年3月25日〜5月5日まで鹿児島市立美術館で開催されました生誕100年山下清展については記録として残そうと思います。

私自身、山下清展については十数年前当時住んでいた福岡でエセ放浪のようなことをしていた際、

湯布院の美術館で開催されている時に原画を見たことがあります。

その時の衝撃は今でも覚えており、テレビドラマで見たイメージと本物とははかなり違った印象を持ったものでした。

生誕100年山下清展の看板に書かれている絵は山下清自身の自画像だそうだ。
看板に書かれている絵は山下清自身の自画像だそうだ。

作品展にて本物を鑑賞

生誕100年山下清展看板。作品のタイトルは高崎の花火。
生誕100年山下清展看板。作品のタイトルは「長岡の花火」。

改めて彼の絵を鑑賞して思ったこと。

看板にもなっている「長岡の花火」をはじめ各作品は圧巻で非常に見応えがありました。

じっくり見てみるものです。

吃音の障害はあったもののそれは度外視して、

彼の瞬間的な記憶力の凄さや作業の細かさというか器用さというか、常人では真似できないと思ったところです。

ちなみに当時はカメラ自体が非常に高価な上、持っていたととしても白黒写真しか撮れなかったはずです。

(しかも扱いづらい)

貼り絵は勿論のこと、水彩画やペン画、陶磁器の絵付けとも相性が良かったようです。

一方で、油絵との相性は良くなかったみたいです。

写真を撮る者側(私)からの視点、鑑賞点

前回鑑賞した時と違い、私自身が写真を撮るようにました。

写真撮影の面から作品を見ていって気づいた点があります。

建築物の水平垂直の歪みが全くなくて、高さのアングルもちょうど良いということです。(特に西洋編)

風景画ではちゃんと奥行きも表現されていることも分かります。

それと、作品に書かれていたサインをはじめ、日記等に書かれていた字も綺麗であることが意外でした。

個人的に天才肌の人は文字が読めないくらい字が汚い(私もその気が十分ありますが(笑))というイメージなので、今回気づいた新たな発見でもあったのです。

放浪した歴史的な背景

では、なぜ放浪する必要があったのでしょうか?

その前に、初期の作品は昭和初期、太平洋戦争の直前の頃に相当するため満足な物資が無かったのは容易に想像できます。

作品で使われていた紙の色も地味な色しか存在していなかったと思われます。

そのため、初期の作品では材料に切手を使用したものも数多く見られました。

(ちなみに戦後以降の作品では使用している紙の色も鮮やかなものも増えています。)

戦禍に巻き込まれるにつれ、徴兵検査を受けないとならなくなります。

それを避けるため、長期の放浪の旅に出たと言われております。

生誕100年山下清展にて。ともだち。
ともだち。(今回の展覧会では写真撮影可能な作品も数点ありました)
生誕100年山下清展にて。上野の地下鉄。
上野の地下鉄。

鹿児島との関連性

たしか前回の山下清作品展を見た際に、放浪中の彼を捜索している新聞記事や鹿児島駅で発見された(保護された?)記事も紹介されていた記憶があります。

鹿児島駅駅舎(先代)。鹿児島駅で放浪の旅は終わったようだ。
鹿児島駅駅舎(先代)

鹿児島が「放浪の旅」の終わりの地であったそうな。

どうでも良いことですが、鹿児島駅を題材にした記事全く書いていませんでした(汗)

余談ですが、私の放浪記鹿児島が最後でした。

実際、彼は何度も鹿児島を訪れていたようです。

「桜島」や「開聞岳」を題材にした作品も数点ほど展示されていました。

放浪の旅の後は、画家として引っ張りだこになったそうです。

話は逸れますが、戦後には40日間にわたるヨーロッパへの旅もしており、西洋の建物の作品も数多く残されています。

城山から見た鹿児島市街地。港の形がだいぶ変わった。
城山から見た鹿児島市街地。港の形がだいぶ変わった。

例えば、桜島はおそらく城山の展望台からのもの(昔の鹿児島港の姿が懐かしかったです)や磯か花倉もしくは鹿児島駅近くのアングルが有名です。

また開聞岳は長崎鼻のあたりからのアングルなのかなあと思ったところですね。

2022年の今、思うこと

最近の流行りですとYouTubeで今の旅を紹介する方々もいる一方で、かつての映像をあげている方も結構いらっしゃいます。

便利になった反面、いったん他人に見つかってしまった場合、自分の好きなように行動ができなくなってしまった例も多々あります。

情報が氾濫するようになった現代において、もし有名になってしまったら存在を消すように移動、行動することは可能なのかどうかは分かりません。

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