薩摩塩屋駅を見つけ出すまで、秘境駅と言われる所以。
前回取り上げた白沢駅や、大山駅もなかなか駅の入り口が分かりにくく苦戦したものですが、
まだ両駅はホームの片方に踏切があるため、手元に地図がなくとも、
道路をたよりにすればなんとか見つけることができます。
ところが、そういう手段で発見することができない駅も存在します。
それが、当駅、薩摩塩屋駅です。
いわゆる「秘境駅」と言われてもおかしく無いようなところにあります。
(厳密には違うのかもしれないですが)
まずは、この写真から。駅近くの踏切にて。(松ヶ浦、頴娃方面から)

ここからは、ジャングルのような緑地の先に駅のホームとバックミラー、屋根が見えます。
駅らしきものは見えますが、たどり着く方法がわからないのです。
下の地図を参考にしていただきますとわかるのですが、
頴娃側の踏切から見ると駅にたどり着くための道路がほぼ無いことがわかります。
踏切から山手の方へしばらく向かったところで狭い道を左折、
駅のホームっぽいところが見えたので再び左折して駅の裏手にたどり着くけど、
残念ながら、ホームには行け無いのです。
反対側(枕崎側)の踏切から

こうしてみると、先ほどの頴娃方面から見た時よりだいぶ近づいてきた感じがします。
それでも、駅の入り口は見つからないのです。
どこから入れば良いのか?
では、どこから入ればいいのでしょうか?
先ほどの地図をもう一度見てみましょう。
正解は素直に国道226号線、中塩屋バス停付近にある細い道路から住宅地に向かい、
とある住宅の横をすり抜けたところに砂利の広場があって、そこが薩摩塩屋駅の駅前広場ということになるそうです。(駅前広場の画像撮り忘れました)
薩摩塩屋駅の駅構造

これまでに紹介した指宿枕崎線末端区間の各駅(薩摩板敷、松ヶ浦、大山、白沢など)と同じような棒線駅なのですが、
冒頭に載せた画像のようにホームにかかっている屋根の庇が他の各駅とは違い、
両側についているのが特徴となっています。

また、当駅のホームから頴娃駅方面を見てみると、ホームの端からしばらくS字カーブしているように見えます。
鉄道関係の知識がある方ならわかると思いますが、この駅は島式ホームになって、列車交換ができるように設計されていたのでは無いかと考えられます。
ただ、思ったより旅客需要がなかったため、列車交換設備の設置はされないまま今に至ったものと思われます。
(そのため、山川〜枕崎間では西頴娃駅でのみ列車交換が可能であり、1日あたり運行可能な列車の本数に制限が発生します。7~8往復くらいだった思います。)

こちらは反対に枕崎方面を見たものになります。
先ほどと同様にS字カーブを描いています。
幻の設備

うまく表現はできないのですが、上の画像はホームの乗降口とは反対のところにある、
保線車両が留置できるための留置線があります。
このことからも、当駅では列車交換ができるように想定されていたものと思われます。
国鉄にお金と車両があれば、ここに列車交換設備を作ることができていたのかもしれない。
そんな想像をして、今回は締めようと思います。