先日の宮ヶ浜防波堤編に続き今回は宮ヶ浜駅について取り上げていきます。単なる海の見える駅だけではなく色々語り尽くせぬ要素満載の記事になっております。

現在の駅舎

宮ヶ浜駅駅舎。指宿発祥の地の標識も立っている。海も見える。
宮ヶ浜駅駅舎。指宿発祥の地の標識も立っている。


まずは宮ケ浜駅駅舎から。
当駅は昭和9年開業、現在はコンクリート造りの無人駅になっていますが、昭和58年指宿枕崎線のCTC(列車集中制御装置導入)化のころまでは木造駅舎で駅員さんもいらっしゃったそうです。

駅舎内の待合室に昔の木造駅舎の写真が飾ってありました。

昔の宮ヶ浜駅駅舎とホームの写真、駅舎内の待合室に飾ってある。
昔の宮ヶ浜駅駅舎とホームの写真、駅舎内の待合室に飾ってある。

指宿発祥の地として

駅舎写真に載っている標識の通り、この地が指宿発祥の地と言われているそうです。指宿といえば温泉街のイメージがありますが、江戸時代建造の防波堤や駅周辺の街並みを歩くと確かに昔ながら街並みや文化財クラスの商店が残っているので街歩きするには持って来いの所だと思います。

今回はメインで撮っていないのですが、昔ながらの焼酎工場(駅ホーム全体を写した写真の左奥に写っています)やいも飴の販売店(下の駅名標の写真の後ろに写っている建物です)、百貨店と呼ばれる商店(有形文化財に登録されているはず)が残っており今の指宿駅前よりも当駅や両隣の薩摩今和泉駅、二月田駅周辺の方が町として古いというか歴史があるのは歩いていてよくわかります。

宮ヶ浜駅の駅名標。
宮ヶ浜駅の駅名標。昔は駅名標に日本一海に近い駅のイラストが描かれていた。後ろにいも飴の販売店の建物がある。

海の見える駅

宮ヶ浜駅のホーム全景。片面のみで列車4両分は停められる。左奥には焼酎工場も見える。海もそばにあった名残がある。
宮ヶ浜駅のホーム全景。片面のみで列車4両分は停められる。左奥には焼酎工場も見える。
停車中の列車と駅ホーム。かつて左側には道路がなく海だった。
停車中の列車と駅ホーム。かつて左側には道路がなく海だった。

指宿枕崎線宮ケ浜駅に停車中の列車。駅のすぐ横に護岸があるのですが、元々は護岸から左手は海だったので大村線千綿駅のように最も海に近い駅の一つでした。
ただ、バブル期に大規模親水リゾート地を作ろうとして道路のあたりから埋め立てが行われたのですが、バブル崩壊のために海水浴場は計画倒れとなり公園と道路のみ使用されるようになりました。
海に近かった証拠を示すためにこの写真は引き気味に載せています。極め付けは下の待合室での白黒写真。

駅舎内待合室の写真から。かつては本当に駅の目の前が海だった。騒然ながら石積みの防波堤は昔からあった。
駅舎内待合室の写真から。かつては本当に駅の目の前が海だった。騒然ながら石積みの防波堤は昔からあった。

昔は駅前に漁船と材木が置いてあったのですね。

要は、上3枚の写真で当駅の目の前が海だったこと言いたかったのです。

特急指宿のたまて箱号通過シーン。3両編成で走っていた頃すら懐かしい。
特急指宿のたまて箱号通過シーン。3両編成で走っていた頃すら懐かしい。

鉄道設備として足りないもの


宮ケ浜駅と隣りの二月田駅の中間あたりに列車交換設備できる駅もしくは信号場あっても良いのかなと思ったことがあります。(住所でいうと東方あたりに相当する思います)
というのは指宿枕崎線薩摩今和泉駅から指宿駅までの間に宮ケ浜、二月田と駅があるのですが両駅とも列車の行き違い設備を持っていません。そのため、薩摩今和泉駅または生見、指宿駅において長時間停車する普通列車がいます。
国鉄時代に作られた路線の場合1日あたりの列車の本数が少なく、駅間距離も長く設定されたところもあります。
たしかJRになる前後で指宿枕崎線内に郡元、宇宿、慈眼寺の3駅が新駅として生まれています。同時に慈眼寺駅で列車交換できるようになったおかげで列車の本数を増やすことができました。
今では鹿児島中央駅発着の路線では指宿枕崎線が最も列車本数が多く1日あたり上下50本近く発着しています。
現状喜入までは良いのですがその先指宿方面に行く際、普通列車に乗車してみると薩摩今和泉駅〜指宿駅間がずっと単線のままなので運行上ネックになっているのではないかと思うことがあったので、喜入から先指宿方面の列車の本数増やすとなった場合、列車交換できる場所が欲しいなと思うところです。

かつての駅名の名残と長渕剛

ホームから海が見える駅、宮ヶ浜駅ホームにて。西鹿児島の文字も懐かしいけど、長渕剛の名前も気になる。
宮ヶ浜駅ホームにて。西鹿児島の文字も懐かしいけど、長渕剛の名前も気になる。

懐かしの西鹿児島

上の写真で2つのことが語れます。
まずは駅ホーム向かいに書かれた西鹿児島方面の文字。私も未だに西駅と言ってしまう時があります。まだ西駅前朝市ってあるのかな?
昔は指宿線朝市というのがあって指宿枕崎線早朝の列車で指宿方面から行商のおばちゃん達が乗っていたという話は聞いたことあります。

鶴になった父ちゃん


そしてもうひとつのお話、ここ宮ケ浜は長渕剛アニキの「鶴になった父ちゃん」の歌詞で
幼い俺を父ちゃんはバイクに乗せて宮ケ浜にいつも連れてってくれた 浜の西に沈む夕陽が赤く揺れてって…
て他界したお父様について触れています。おそらく先日載せた防波堤のあたりから夕陽を見たのでしょう。
私も両親を病気で亡くしているので(元気だったころの姿で)逢いたいという気持ちはすごくわかります。

青空と列車

枕崎行き普通列車
枕崎行き普通列車
魚見岳と到着する列車(キハ47 131)
魚見岳と到着する列車(キハ47 131)

キハ47 131

宮ヶ浜編の締めに魚見岳と入線する列車といったところでしょうか。
この写真、拡大したら分かったのですが今は運用離脱した(どこに行ったのか所在不明の)キハ47 131いわゆる47の原型エンジン車(元々キハ47系についているエンジンDMF15HSA形は車体の大きさの割に出力が弱く加速が鈍臭いのと登坂性能が良くなかったみたいです。JR九州のキハ40または47のほとんどの車はエンジンや変速機、減速機を性能の良いものに交換されており、交換済みの車両は車両番号が改番されています。キハ147とか47 8000番台または9000番台になっておりスムーズな加速など走るようになりました。)です。指宿枕崎線に原型エンジン車入っているイメージなかったのですが運用されていた時期もあったのですね。

それと、願わくばなのですが、宮ケ浜駅もしくは肥薩おれんじ鉄道の高尾野駅のどちらか欲を言ったら両駅で列車の接近放送で長渕剛さんの「鶴になった父ちゃん」を流すのも有りなのかなあとも思ったところです。

宮ヶ浜に関することは以上となります。

以下のリンクは、指宿枕崎線沿線風景をまとめたものになります。

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3 Comment

[…] こちらの踏切もなかなか風情があって好きな景色なのです。 宮ヶ浜駅付近にある海のそばの踏切や […]

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[…] これまでの記事で宮ヶ浜駅や二月田駅については触れてきたのですが、 […]

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[…] 元々は指宿枕崎線の薩摩今和泉駅から隣の宮ヶ浜駅まで海沿いを歩く内容で考えていましたが、後々調べていくと海沿いの道も面白いに加え、なかなか見応えのある建造物とういうか施設があるので先に紹介しようと思ったところであります。ただ、今和泉から宮ヶ浜にかけての海岸道路が災害のためにまだ通行止めになっている可能性がありますので、その点はお許しくだい。 […]

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